術後のケア

術後のケア

手術後の日常生活におけるケアの考え方

目の手術後に生活制限があるのは、すべては術後眼内炎(手術の後の細菌感染)を防ぐ目的が大きいといえます。せっかく手術翌日視力が1.2に回復しても、術後眼内炎を起こすとすべてを失います。目の中には光を通すために血管の無い組織が多く、細菌感染を起こしやすいのです。術後眼内炎を防ぐための術後のケアは、

  • 保護めがねで埃を防ぐ(1週間)
  • 術前術後の抗生物質点眼により感染リスクを減らす(2週間)

これに医療法人クラルス独自のケアを追加します。

  • 消毒液(希釈PAヨード)点眼

Think: 抗生物質と消毒液
抗生物質は、常に効果が薄い耐性菌が問題になります。日本では、すぐ抗生物質が使われますので、耐性菌は身近な問題です。いくら抗生物質を十分に使っても、耐性菌には丸裸状態です。実際、白内障の術後眼内炎のリスクは0.05%と低いものの無くなりません。一方、消毒液は、どんな細菌にも効果がある点が優れています。クラルスでは、大宮院で洗顔・シャンプーの後、消毒液点眼を使用することで、手術翌日から洗顔・シャンプーを許可しています。

術後眼内炎を100%防ぐ方法は無い➡早期発見が重要
耐性菌がある限り術後眼内炎は無くなりません。大切なことは、早期発見・早期治療です。「急な目の痛み」、「急な充血※」、「急にぼやけて見える」などの急な変化に気をつけ、すぐ眼科受診をお願いします。
※術後は、白目に血が溜まります(結膜下出血)が、全く心配ありません。結膜下出血と充血の違いは、患者さん自身では区別がつかないため不安になります。赤さがべたっと限局していたら結膜下出血です。

具体的な術後生活の心得を見て参りましょう。まず表で示し、それぞれ大切なところを解説します。

  • 洗顔・洗髪・入浴

手術後の感染症を防ぐため、術後1週間の洗顔・洗髪は控えていただくのが一般です。しかし、新型コロナ窩において洗顔・洗髪しない方が問題であるとの考えもあり、クラルスでは、翌日から洗顔・洗髪を許可しています。その代わり、洗顔・洗髪後は、消毒液(希釈PAヨード)点眼を行っていただきます。また、洗顔・洗髪は水道水で行ってください。大腸菌や身体表面に付着した細菌がいる風呂のお湯は目にかけないように注意します。

  • お化粧・ひげそり

眼球の周囲に人工的不純物が入るのは1週間は避けた方が無難です。お化粧は、手術後1週間は、目の近くは控えてください。アイメイクは2週間程度避けてください。毛染め・パーマは、約2週間後からできます。一方、目から遠い電気カミソリによる髭剃りは、手術の翌日からOKです。

  • 飲酒・たばこ

食事についての制限は特にありません。お酒は人によっては炎症を悪化させる恐れがあるため、手術後の3日は控えた方が良いでしょう。喫煙が白内障手術術後に影響を与えるかどうか不明ですがこの機会に禁煙しましょう。喫煙は加齢黄斑変性の危険因子です。

  • 仕事・運動

仕事の内容によります。デスクワークなど室内の仕事なら、手術の翌日から可能です。移動時は保護めがねをかけてください。極端に重いものを持つ重労働については、いきみがどの程度問題を起こすか不明ですが、念のため1週間は控えた方が無難です。
日常の家事や散歩程度の運動は、手術の翌日より可能です。水晶体の袋は術後すぐは柔らかいため薄い眼内レンズは目の動きに合わせて揺れます。徐々に水晶体の袋はしっかり固まってきて眼内レンズは揺れにくくなります。このため走ったり、階段を駆け下りたりと、目に強い振動を与えることは2週間は辛抱ください。
ゴルフなどの通常のスポーツは、いろいろなリスクを考慮して1か月辛抱してください。水泳も汚染されたプールの水が創口に直接触れる可能性があるため、1か月は控えた方が無難です。
砂ぼこりなどで目が汚れる可能性がある競技や、目を打撲する可能性がある競技も、1か月は控えてください。
不安があれば手術後の仕事や運動は、主治医に相談してから行いましょう。

  • メガネ

手術前に使用していたメガネは、多くの方は合わなくなります。各自異なりますが、屈折や乱視が安定するのは、術後1~2か月後で、その間にメガネの度数も少し変化するため、術後早くメガネを作ると後でズレることがあります。1~2か月はメガネを作るのを待った方が無難です。仕事などで術後すぐメガネが無いと困る方は、術後すぐ作っていただき万が一後で度数がズレた場合は、メガネのレンズを変えることもありです。その場合の追加費用が必要かどうかは、眼鏡屋さんによって異なりますのでご確認ください。

  • 旅行・運転

近くへの短期間の旅行であれば術後1週間より可能ですが、遠距離旅行(特に海外旅行)などは、1か月ぐらいの間は避けたほうが無難でしょう。温泉や大衆浴場の利用も1か月は避けましょう。本当は2週間我慢いただければ大丈夫なのかもしれませんが、不確定要素がありOKとは言えないのです。旅行中に予定がある場合は、医師と相談して、手術日の調整をしてもらうようにするとよいでしょう。
白内障手術は、手術で問題が無ければ翌日からよく見えますので、運転することは可能ですが、術後の見え方に脳がなじむのにはある程度時間はかかるものです。安全運転のために、術後の見え方に応じて術後の運転は決めていきましょう。

術後検診について

白内障の手術は、短時間で終わり、日帰りでの手術も可能になり、手軽な手術と感じるかもしれません。
しかし、一歩間違うと、とんでもない問題が起きることがあります。その多くは、術後の細菌感染や炎症です。ハッピーな手術を本当にハッピーにするためには、手術をした後は、術後の点眼治療と定期的な検査が絶対に必要となります。

一般的には、手術をした翌日、3日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後といった期間での、定期的な検査を受けて、術後の合併症が出ていないか、きちんと見えるようになっているかどうかなどについて、しっかりと確認することが大切です。

術後の合併症や、視力、視機能の安定については、術後短時間ではわからないことが多いのです。
定期的な検査を受けることで、何らかの問題が見つかっても、早期に適切な処置が可能となるのです。

理事長のプロフィール

板谷 正紀(理事長)

板谷医師は硝子体手術と緑内障手術を駆使できる術者です。高眼圧を伴う眼底疾患(増殖糖尿病網膜症における血管新生緑内障など)などの複雑な症例にも両方の術式を同時に使い対応できます。長く大学で治療にあたり増殖糖尿病網膜症や増殖硝⼦体網膜症などの難治症例を得意としています。埼玉県が指定する「難病指定医(眼科)」。

■資格

  • 医学博⼠(京都⼤学)
  • ⽇本眼科学会認定眼科専⾨医
  • PDT認定医(眼科PDT研究会)
  • 屈折矯正⼿術講習修了医
    (⽇本眼科学会指定)
  • オルソケラトロジー講習修了医
    (⽇本眼科学会指定)
  • CTR講習会修了
    (⽇本眼科学会)
  • ⽔晶体再建術併⽤眼内
    ドレーン挿⼊術講習会受講
    (⽇本眼科学会)
  • ICL認定医(ICL研究会

■受賞

  • 1997年 ⽇本失明予防協会研究 助成(⽇本失明予防協会)
    京都⼤学助成会賞(京都⼤学助成 会)
  • 1998年 ジャムコン賞(ジャム コン)
  • 2007年 Young Investigator Award (Glaucoma Summer Camp)
  • 2013年 AAO Achievement Award (American Academy of Ophthalmology)

当法人で白内障手術が申し込みできるクリニック

  • はんがい眼科 「大宮駅」東口より、国際興行バス 7番「南中野バス停」下車 徒歩5分 Tel:048-681-0101
  • 板谷アイクリニック銀座 東京メトロ 銀座駅C8出口より徒歩1分東京メトロ 銀座1丁目駅5番出口より徒歩3分 Tel:048-681-0101
  • はんがい眼科新宿センタービル JR線・小田急線・京王線・東京メトロ丸ノ内線「新宿」駅西口より徒歩約5分の新宿センタービル5階 Tel:03-5381-0101