白内障手術ガイダンスシステムVERION™は、白内障手術を正確に行うための支援システムです。術前に白内障手術に必要な目のかたちを測定し、術中にリアルタイムに目の中心や位置情報に基づいた手術ガイダンスを行います。これにより、白内障手術に精度と再現性の向上をもたらします。手術ガイダンスの内容は以下のようなものがあります。
① 前嚢切開ガイダンス:顕微鏡下で術野の目に前嚢切開の想定ラインをデジタルマーカーでスーパーインポーズします。目の中心部分に、あらかじめ決めた直径の円が表示されます。術者は、そのラインにそって前嚢切開を行えば正確性の高い前嚢切開が可能になります。眼内レンズの安定した位置固定に有効です。
② 乱視矯正:乱視を矯正する方法は、乱視の程度に応じて、トーリック眼内レンズ、強主経線角膜切開、弧状角膜切開の3通りがあります。いずれも、正確な乱視矯正のためには、術中に乱視の軸を正確に把握していることが重要ですが、仰向きになると目が回旋と呼ばれる位置ズレを起こし乱視の軸が不正確になってしまう問題がありました。VERIONは外来の座位における目の位置を記憶しており、目の位置ズレが起きても正確に乱視の軸を表示してくれます。
③ IOLの固定:眼内レンズの中心固定位置のガイダンスです。眼内レンズが中央に固定できたかどうかを確認するための円形ガイダンスラインが表示されます。ずれが大きい場合は、この円形ラインを参考にして修正します。