欧米の先進国では90%以上の白内障手術は日帰り手術として行われています。我が国でも日帰り手術が急速に増えており半数近くになっております。大学病院や総合病院などのベッドのある眼科で行われている白内障手術は入院手術が多く、一方クリニック眼科では日帰り手術が多く、この比率になっているのでしょう。ただし、入院と言っても1泊2泊程度ですので、通院回数はさほど減りません。
白内障手術そのものは、入院による術後管理は不要です。大事なのは術後診察が受けられることと、点眼指導がちゃんとできることです。それさえできれば、100歳を超す高齢の方も通院さえ可能であれば日帰り手術で十分です。高血圧や糖尿病などの全身疾患があっても通常は日帰りで手術は可能です。
最近では、むしろ高齢者では入院して環境が変わることにより認知症の悪化やベッドに寝てばかりいることにより沈下性肺炎を起こしたという報告もでてきています。いつもと変わらない環境と生活で手術を受けていただくことが良いと考えています。お風呂や寝る枕も、やはり自分の家の慣れたものが良いですよね。
当院は、白内障手術だけではなく、緑内障手術も硝子体手術も日帰り手術です。術後成績は大学時代と変わりません。むしろ、手術が速くなりました。眼科専属のナースによる手術介助など、すべてを眼科診療のために特化できるからです。