近年黄斑疾患が増加しています。
「真ん中が見えない」「歪んで見える」などの自覚があれば、まずは眼底検査を受けることが重要です。

多様な黄斑疾患
黄斑疾患は、加齢黄斑変性など頻度の高い疾患からレアな疾患まで多種多様です。
まずは、正確な診断を行い、患者さんに合わせた治療法を決定することが必要です。
原因で3つに分類
診断はOCTで
黄斑疾患の診断には光干渉断層計(OCT)が必須です。なかには、強度近視網膜分離症のようにOCTが登場してはじめて見つかった病気もあります。
理事長の板谷は、現在普及しているOCTの開発に参加し、OCTを用いた黄斑疾患の診断に関する論文を多数報告してきました。吉村長久京都大学名誉教授との共著「OCTアトラス(医学書院)」はその集大成です。
また、最近では、OCTアンギオグラフィーという先端技術が普及し、副作用のリスクのある造影剤を用いなくても黄斑疾患を診断できるようになってきました。なかには、OCTアンギオグラフィーを用いないと診断できない病気もあり、それにより治療法も変わります(中心性漿液性脈絡網膜症)。はんがい眼科は、OCTを3種類導入し、どの機種もOCTアンギオグラフィーを備えています。おかしいと思ったら、まず検査を。
治療は原因により異なる
治療は上記の3つの分類によりきれいに分かれます。
- 硝子体が黄斑を引っ張って起きる病気
硝子体手術で硝子体を取り除き黄斑にかかっている悪い力を解除します。 - 網膜の血管から血液中の水分が漏れる病気
抗VEGF薬治療を行います。抗VEGF薬というお薬を目の中である硝子体のなかに注射して黄斑の腫れを引かせる治療。 - 網膜の土台の故障で血液中の水分が漏れる病気
これも抗VEGF薬治療で漏れを止めます。

右:強度近視網膜分離症のOCT画像
(OCTアトラスより)

中:中心性漿液性脈絡膜網症のOCT画像
右:OCTアンギオグラフィー
(焼津こがわ眼科の原田先生のご厚意による)