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黄斑前膜(黄斑上膜)

誰でもなり得る黄斑前膜

黄斑前膜(黄斑上膜ともいいます)は、誰にでも起こりうる最もポピュラーな網膜の病気です。視力をつかさどる網膜の中心である黄斑の表面に膜が張り、その膜が絞り込むような力で黄斑を変形させ、分厚くなったり、皺がよったりします。症状は、ものがゆがんで見えたり(変視症、歪視)、大きく見えたり(大視症)、視力が低下します。残念ながら今の医学でもお薬では治りません。硝子体手術で膜を取り除きます。27ゲージ小切開硝子体手術になり手術は安全になり日帰り手術で治療が可能になっています。

黄斑前膜のOCT画像

黄斑の断面です。表面に膜が張り真ん中に向かって収縮して網膜が皺になっています。正常ではくぼんでいる黄斑の中心が分厚く肥厚しています。

アムスラーチャート検査

なぜ誰にでも起こりうるのか?~発症メカニズム

目の中には硝子体と呼ばれる卵の白味のような透明なゲル組織があり網膜とくっついています。この硝子体は年齢とともに液化して縮んでいき、徐々に網膜から離れます。後部硝子体剥離と呼ばれ、ほとんどの方に起こる生理的加齢変化です。この時に、黄斑の表面に薄い膜(後部硝子体皮質の一部)が残ります。この膜の断端部分の網膜表面に傷ができて網膜や血管の細胞が膜を伝って集まります。すると膜は分厚くなり真ん中へ向かって収縮します。収縮するとき網膜の表面を引っ張り傷を付けてしまうため、そこからさらに細胞が集まるということを繰り返し黄斑前膜は成長していきます。

黄斑前膜のOCT画像

失明はしないが見え方が不快

黄斑前膜は失明する病気ではありません。しかし、見つめるところが見えにくくなり、ゆがんで見えるため不快な見え方になります。スマホなど日々文字と画像で情報を得る我々には辛い症状です。

なぜゆがんで見えるのか?

正常な黄斑は中心になだらかなくぼみ(中心窩陥凹)があり、表面はスムースです。このかたちが変形するとゆがんで見えるようになるのです。黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病黄斑浮腫、加齢黄斑変性など黄斑に変形をきたす病気は枚挙にいとまがありません。黄斑前膜の場合は、くぼみが消失して厚みを増し、表面に皺がよります。

正常な黄斑のOCT画像
特徴的なかたちをしている
黄斑前膜のOCT画像
中心窩陥凹は無くなり、むしろ肥厚している。黄斑の表面はしわがよっている

黄斑前膜は手術で治す

硝子体手術で黄斑前膜を剥がします

黄斑前膜は硝子体手術で治します。膜を細いピンセットで網膜から剥がします。一緒に網膜の最表面にある内境界膜という薄い膜も剥がれることが多く、内境界膜も一緒に剥がす術者が多いのです。内境界膜も病的に変化していると考えられ、一緒に剥がした方が網膜の皺は伸びやすいです。

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手術の効果は?

黄斑前膜を剥がすと黄斑にかかる異常な力が取れます。黄斑は徐々に元に戻ろうとしますが、黄斑が肥厚していると、なかなか元通りのかたちには戻りません。皺はすぐ伸びますが、肥厚した黄斑は、ゆっくり厚みが減っていくものの、元通りの厚みに戻りません。くぼみ(中心窩陥凹)の回復も不良です。それでも視力は回復していきますが、ゆがみは取れにくいです。黄斑が厚くなる前に手術を行う方が視力回復もにもゆがみの解消にも良いと言えます。黄斑の中心窩陥凹が消失したら手術の良いタイミングと考えています。

日帰り手術が可能です

画期的な27ゲージ硝子体手術の登場で、硝子体手術の安全性は高まり日帰り手術で行う時代になりました。詳細は、黄斑前膜手術を参照ください。

  • 硝子体手術

  • 細い治療用器具を操り眼底の病気を治す、細い治療用器具を出し入れするためのガイドシステム

早期に手術するほど視力は良くなる

手術の安全性が高くなると合併症の心配が減るため早いタイミングで手術を考えることができます。黄斑が変形しすぎるほど、元のかたちには戻りにくいです。これは変視症や大視症が治りにくいことにつながります。黄斑が変形する前に手術を行えば黄斑の正常なかたちを守れます。これは術後すみやかな視力回復をもたらすとともに、治りにくいと考えられている変視症の消失や予防を可能にします。

黄斑前膜手術は視力1.0をめざす時代

治療は効果と合併症リスクを秤にかけて決めていくものです。白内障手術が安全になって視力1.0以上をめざす手術になったように、黄斑前膜手術も27ゲージ硝子体手術により安全性が高まり視力1.0以上を得るためにはどうすれば良いかを考える時代になりました。1つは、視力が1.0にもどりうる早期の段階で手術を行うことです。同時に、変視症が治る、または予防できる段階で手術を行うべきです。黄斑前膜手術のところで自データで考察しましたので参考にしてください。

執筆者

板谷 正紀(理事長)

板谷医師は大学で培ってきた硝子体手術と緑内障手術の技術を用いて、通常症例から難症例まで治療いたします。近視と乱視を矯正し裸眼生活を実現するICL手術や、近視・乱視・老眼を矯正し裸眼生活を実現する多焦点白内障手術の高い技術と深い経験を持っています。患者様の求めを理解して最高の提案と結果を出せるように常に全力で臨んでいます。

■資格

  • 医学博士(京都大学)
  • 日本眼科学会認定眼科専門医
  • PDT認定医(眼科PDT研究会)
  • 屈折矯正手術講習修了医(日本眼科学会指定)
  • オルソケラトロジー講習修了医(日本眼科学会指定)
  • CTR講習会修了(日本眼科学会)
  • 水晶体再建術併用眼内
  • ドレーン挿入術講習会受講(日本眼科学会)
  • ICL認定医(ICL研究会)

■経歴

1990年
京都大学医学部卒業
1996年
京都大学医学部附属病院助手
1997年
米国USCドヘニー眼研究所留学~Visiting Assistant Professor
2000年
神戸市立中央市民病院眼科副医長
2003年
京都大学医学部附属病院眼科助手
2005年
京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座眼科学講師
2009年
京都大学医学部附属病院眼科特定准教授
2013年
久留米大学医学部眼科学講座准教授
埼玉医科大医学部眼科教授
2017年
埼玉医科大学客員教授
はんがい眼科院長
2019年
医療法人クラルス理事長
2020年
板谷アイクリニック銀座院長