
涙の流れは台所のシンクと同じで、水(涙)が作られるところ(涙腺)と水(涙)が出ていくところ(涙道)があります。
眼形成外来での治療
小児の「涙が止まらない」「涙があふれて困る」原因はいくつかありますが、眼形成外来で治療できるのは
です。
通常は、生まれたときには涙道が開通していますが、ある一定の確率で涙道の出口(鼻涙管開口部)が開通されないことがあり、涙と目やにが止まらない「先天性鼻涙管閉塞」の状態で生まれてくることがあります。
以前は金属の棒を涙道に盲目的に差し入れて、閉塞部分を開放する(ブジー)こともありましたが、生後1年で90%、生後1年半で96%が自然に開通するため(※)、ブジーはあまり行われなくなりました。
※MacEwen CJ, et al:Eye(Lond). 1991;5(Pt 5):596-600.
自然に開通するまでは、目やにがひどい時だけ抗生剤の点眼をすればよく、毎日点眼をする必要はありません。
そうはいっても親御さんが不安になる気持ちは痛いほどよくわかります。
当院では自然に開通するまで1カ月ごとに定期的に診察をさせていただいております。
また、睫毛内反も小児の流涙、目やにの原因になります。本来、まつ毛は前のほうを向いていますが、生まれつきまつ毛が黒目(角膜)の方向へ向いており、まつ毛が角膜に当たってしまっている「睫毛内反」では、眼球が刺激を受けてしまい、流涙や目やにが出ます。
年齢とともに改善することを期待して、まずは角膜を守る点眼で通院していただきます。
改善が見込めないような場合は、手術でまつ毛を前に向かせます。