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血管新生緑内障

血管新生緑内障の症状

糖尿病網膜症に併発する最も治りの悪い緑内障です。血管新生緑内障と闘うためには緑内障網膜硝子体疾患の両方を治療する技術が必要になります。

糖尿病網膜症は、悪化すると網膜の毛細血管に血液が流れなくなり(無灌流領域形成)、網膜にとってたいへん具合の悪い状態になります。網膜は生き延びようと、新たに血管を作ろうとして血管内皮増殖因子(VEGF)を作り続けます。その結果、網膜表面に血管増殖膜が張り増殖糖尿病網膜症が発症するとともに、目の中の水(=房水)の出口である隅角にまで新しい血管が張り隅角が破壊されます。その勢いは強く、一気に眼圧が上昇してきます。治療が遅れると隅角全体が癒着を起こし50mmHg(正常は10~21mmHg)を越える高眼圧となり強い目の痛みが生じます。

血管新生緑内障の治療

一昔前は手立てが無く痛みを取るために眼球摘出に至りました。治療は「原因が明らかな緑内障の治療の第一選択は原因解除」の原則の通り、糖尿病網膜症の治療です。すなわち、網膜をレーザー光凝固して網膜の神経細胞を間引きしてVEGFの産生を減らします。しかし、いろいろ問題があります。まず、糖尿病の方は瞳が開きにくく、白内障もあるなどレーザー光凝固を十分に出来ないことが多く、特に網膜の周辺部は凝固できません。この問題を解決するためには硝子体白内障同時手術を行い、術中に目の中から網膜の端まで十分にレーザー光凝固を行うことが必要です。一旦破壊された隅角は網膜症を落ち着けたとしても元には戻りませんので眼圧は下がりません。このため硝子体手術を行って網膜は治っても、術後の高眼圧のため視神経乳頭が萎縮して失明していく目が後を絶たないのです。それゆえ、硝子体手術とともに眼圧をコントロールする技術も必要です。当院では、時に硝子体手術緑内障手術の同時手術、術後の眼圧コントロールを行い網膜と視神経乳頭の両方を守ることに力を尽くしています。

血管新生緑内障の手術

緑内障手術としては、最も眼圧を低くできる術式が、線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)です。眼球に房水を流出させるバイパスを作成し白目の結膜の下へ導き出し濾過胞という袋を形成して、ここで房水を吸収させ眼圧を下げます。うまくいけば眼圧を10mmHg前後の低い眼圧に保つことが可能ですが、人の持つ傷を治す力(=創傷治癒反応)がバイパスの出口を塞いでしまう働きと闘う必要があります。特に、血管新生緑内障は、新生血管が生え炎症が強く創傷治癒反応が強く起こることや出血が起こりやすいことなど条件が悪いのです。何より重要なことは、十分に汎網膜光凝固術を行い網膜症を抑えることです。これにより、線維柱帯切除術が効きやすくなります。線維柱帯切除術が効きにくい重症例には、バルベルトまたはアーメドという名称のタンク付きチューブを目の表面に埋め込むチューブシャント手術が適応になります。血管新生緑内障にも強い反面、線維柱帯切除術ほど眼圧を低くできない面もあります。